特定技能制度においては、「特定技能1号」へ移行する前段階として、「特定活動(特定技能1号移行準備)」という在留資格があります。
しかしこの在留資格については、「特定技能評価試験に合格していなくても取得できる」といった誤解もあると聞いております。
本記事では、「特定活動(特定技能1号移行準備)」の位置づけや要件について整理したうえで、どのような場合に認められるのか、またよくある誤解について分かりやすく解説します。
はじめに|「特定活動(特定技能1号以降準備)」とは何か
「特定技能1号」に在留資格変更を希望する外国人の方を対象として、在留期限までに特定技能1号への変更許可申請に必要な書類をそろえることができない合理的な理由があり、その準備に時間がかかる場合、受入予定先において就労しながら準備することができるという在留資格です。期間は6月であり、特定活動としての期間は特定技能1号としての通算在留期間(上限5年)に含まれます。

よくあるパターンとしては、技能実習修了後は特定技能1号で活動することを希望している方が、技能実習修了日が迫っているものの、受入予定先で特定技能協議会等の加入手続が終わらないため申請する・・等です。
結論|外国人側の要件を満たしてなくてもなれるのか
先に結論から申しますと、特定技能1号を希望する外国人側は、特定技能1号になるための要件を満たしていないとこの「特定活動」の要件を満たしません。
すなわち、
・現在「技能実習2号ロ(もしくはイ)で、修了後、修了した内容と合致する特定技能産業分野で活動する」の場合
→「技能検定随時3級または専門級の合格」もしくは「評価調書」により技能実習を良好に修了する
ことが見込めること
・「現在技能実習以外の在留資格」の場合や、現在技能実習生だが、修了後分野の異なる受入先での
活動予定になる場合は分野ごとに定められた技能水準・日本語水準を満たすこと
が必要です。
外国人側の要件については、以下の記事もご参照ください。
この在留資格が認められる要件
下記の「前提」にプラスして、①~③を満たす場合に要件が満たせます。
前提:特定技能所属機関になる予定の会社の書類がそろわない合理的な理由があること
「特定活動(特定技能1号移行準備)」は、申請人の在留期間の満了日までに「特定技能1号」への在留資格変更許可申請を行うことが困難である合理的な理由がある場合に認められるものです。
例えば、建設分野であれば建設特定技能受入計画申請の審査が終わらない、工業製品製造業分野であればJAIMの加入申請の審査が終わらない、等です。
すでに特定技能所属機関側が要件を満たし、特定技能1号への在留資格変更許可申請に必要な書類を準備することができる場合は、この特定活動の対象にはなりません。
※当然、「特定技能1号」として働く予定の所属機関が見つかってない場合も対象になりません。
①外国人側が「特定技能1号」としての要件を満たしていること
上記の外国人側の要件を満たしていることが要件です。
②特定技能1号への変更予定がある
受入機関について、準備が整ったら特定技能1号への変更申請予定があることが必要です。
例えば、この「特定活動」としての在留中に、今の受入機関とは別の受入機関で働きたいので、別の受入機関での「特定活動」へ変更したいとしても、それは趣旨に反することになります(例外はあります)。
③雇用契約内容
(1)受入機関との契約に基づき、特定技能1号で従事する予定の業務内容と同様の業務に従事すること
これは、「特定技能1号」が許可された後に行う業務と同様の業務を行うことを求めるものです。説明書及び特定技能雇用契約書・条件書の写しを提出して証明します。
(2)「特定技能1号」として就労する場合に支払われる予定の報酬と同額であり、かつ、日本人が従事する場合と同等額以上の報酬を受けること
こちらも説明書及び特定技能雇用契約書・条件書の写しを提出して証明します。
受入体制
(1)申請に係る受入れ機関又は支援委託予定先が申請人の在留中の日常生活等に係る支援を適切に行うことが見込まれること
(2)申請に係る受入れ機関が、申請人を適正に受け入れることが見込まれること
これらも、説明書を提出することで証明します。
実務で注意すべきポイント
在留期間と更新制限について
(1)在留期間は6カ月です。
この間に「特定技能1号」へ在留資格変更許可申請をするための準備を整えることが基本となりま す。万が一準備を整えることができない場合は、やむを得ない事情があると認められる場合に、1回限り認められます。
(2)通算期間の5年に含まれます。
「特定技能1号」として通算5年までしか在留できない、というルールがありますが、この「特定活動(特定技能1号以降準備)」として在留する6カ月間も、この5年間に含まれます。
(3)転職して改めてこの「特定活動(特定技能1号以降準備)」になることはできません。
この「特定活動」は「特定技能1号」として雇用される予定のある所属機関にて準備を整えるための期間のために認められるものです。このため、この間に別の機関に転職し、新たに「特定活動(特定技能1号以降準備)」になることはやむを得ない事情があるときを除いて、原則できません。

「やむを得ない事情」がどのような場合にあたるのか、個別具体的に判断されるものと思います。ご不安な方は管轄の入管にご相談することをオススメします。
まとめ
特定活動(特定技能移行準備)は、特定技能1号への移行を前提とした例外的な在留資格であり、誰でも自由に利用できるものではありません。
特に、希望する外国人の技能水準に関する要件については誤解が生じやすく、前提を誤ると申請が受け付けられない、もしくは不許可になる可能性があります。
制度の趣旨を正しく理解したうえで、適切なタイミングで活用することが、スムーズな在留資格の移行につながります。

ご覧いただき、ありがとうございました!

