特定技能所属機関の受入れ要件まとめ|特定技能外国人を受け入れられる会社・受け入れられない会社の違いとは?【2026年版】

特定技能

 たとえば、現在アルバイト可能な在留資格を持ち、アルバイトとして就労している外国人から

安定して働きたいので、「特定技能1号」になりたいと思っています。必要な試験には合格しました。この職場で特定技能として働けないでしょうか?

 と言われました。彼はとても仕事熱心で、職場としてもいてくれるなら長く働いてほしい・・・。

 しかし、うちは外国人をアルバイトとしてしか雇用したことがないが、会社として「特定技能」を受け入れることができるのか?

  という疑問にお答えすべく、全体的な要件について解説していきます。

最近実際に何件か来たお問い合わせです。参考にして検討していただければ幸いです。

  1. 特定技能所属機関とは?【前提のおさらい】
  2. 特定技能所属機関の受入れ要件一覧
    1. 税金・社会保険料等を滞納していないこと
    2. 同一業務を行う労働者を非自発的に離職させていないこと【重要】
    3. 雇用主側の責めに帰すべき事由により雇用する外国人の行方不明者を発生させていないこと
    4. 関係法令により刑罰を受けていないこと
    5. 出入国または労働関係法令に関して不正行為を行ったことがないこと
    6. 実習認定の取消しを受けていないこと
    7. 反社会的勢力(暴力団等)との関係がないこと
    8. 破産していないこと、行為能力があること
    9. 特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成をし、1年以上保管していること
    10. 特定技能外国人やその家族等に保証金の徴収や違約金の契約をさせないこと
    11. 支援の費用を特定技能外国人に負担させないこと
    12. 労災保険に加入すること
    13. 特定技能外国人を適正に安定して雇用しつづけられる体制があること
    14. 特定技能外国人への報酬を支払い金額が確認できる方法にすること
    15. 地域の共生社会実現のために協力すること
    16. 分野によりある基準、特定技能外国人を派遣する場合の基準を満たすこと
  3. 上記に加え、雇用契約に関する基準もあります。
  4. よくある勘違い・見落としポイント
    1. 虚偽の申告はアウト
    2. 支援委託しているから大丈夫、は間違い
  5. 事前に必ず確認したいセルフチェックリスト
  6. まとめ 特定技能は「体制」が見られる

特定技能所属機関とは?【前提のおさらい】

特定技能所属機関とは、「特定技能1号」もしくは「特定技能2号」の在留資格を持つ外国人を雇用している法人または個人事業主のことです。雇用するためには外国人本人だけでなく特定技能所属機関として要件を満たす必要があります。

特定技能所属機関の受入れ要件一覧

 以下のいずれかに該当すると、特定技能外国人を受け入れることができません。これらは、はじめて特定技能外国人を受け入れる際の申請(在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請)の際と、1年に1度の定期届出提出の際に関係書類を入管に提出し、チェックされます。

税金・社会保険料等を滞納していないこと

<税金>

法人・個人事業主ともに国税と地方税が適正に納付されているか、滞納はないか

<健康・年金>

健康保険・厚生年金適用事業所の場合・・・健康保険・厚生年金保険料の未納はないか

健康保険・厚生年金適用事業所でない場合・・・事業主本人が国民健康保険に加入し、健康保険料・年金ともに未納はないか

※税金、健康・年金は納付の猶予(分割納付)を受けている場合はその通知書等を提出することで法令を遵守していると評価されます。

<労働保険>

労働保険料・・・労働保険適用事業所の場合、未納はないか

同一業務を行う労働者を非自発的に離職させていないこと【重要】

この事項は特定技能に特有の守らなければならない事項です。特に、外国人雇用されてない方だとピンとこないかもしれません。

 在留資格「特定技能1号」「特定技能2号」は人材不足に悩み、国内で日本人を雇用しようと対策したけれど人材が確保が困難である産業分野の雇用主の下へ、一定以上の技能を有する外国人が勤務する制度です。

 このため、雇用主側から労働者(日本人・外国人問わず)を雇用主側から離職させているにも関わらず特定技能外国人を雇用したいということは、その制度の趣旨に反することになるため、できないというものです

ただ、「定年退職」「重大な理由による解雇」「雇用契約期間が終了し更新しなかった(ただし、労働者が契約更新を希望したが、正当な理由により雇用主側が断った場合に限る)」は例外です。

この例外に関しては自分たちで判断が難しい場合があるため、ご不安な場合は近くの入管か、専門家へご相談されるといいと思います。

特定技能外国人と雇用契約を結ぶ1年以内と、雇用契約を結んだ後に非自発的な離職者を出すと特定技能外国人を受け入れることができません。

雇用主側の責めに帰すべき事由により雇用する外国人の行方不明者を発生させていないこと

雇用主側の責めに帰すべき事由(=雇用主側が責められるべき理由)により雇用する外国人の行方不明者を発生させていると、外国人を受け入れる会社・個人事業主として適当でない、と評価されます。

「責めに帰すべき事由」とは、たとえば

  • 雇用している会社・個人事業主に法令違反があった
  • 特定技能1号の場合、支援が適正に行われていなかった  ・・・等

 この期間に外国人が行方不明になると、「雇用主側の責めに帰すべき事由により外国人の行方不明者を発生させた」となります。

特定技能外国人と雇用契約を結ぶ1年以内と、雇用契約を結んだ後に非自発的な離職者を出すと特定技能外国人を受け入れることができません。

関係法令により刑罰を受けていないこと

以下の場合で刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者は特定技能外国人を受け入れることができません。

  • 拘禁刑以上の刑に処せられた
  • 出入国又は労働に関する法律に違反し、罰金刑に処せられた
  • 暴力団関係法令、刑法等に違反し、罰金刑に処せられた
  • 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し、罰金刑に処せられた

↑のように刑罰を受けていないまでも、

  • 外国人のパスポート又は在留カードを取り上げた
  • 外国人を暴行、監禁、脅迫した
  • 私生活を不当に制限した
  • 外国人の人権を著しく侵害する行為をした
  • 出入国または労働に関する法令に関して不正または著しく不当な行為を隠蔽する目的で、あるいは許可をもらうために文書を偽造した
  • 外国人の労働に関して不正をし、それを隠蔽した

・・・等々の不正な行為を、特定技能外国人と雇用契約を結ぶ5年以内もしくは雇用契約を結んだ日以降に行った場合は特定技能外国人を受け入れることはできません。

これらは、実際に入管が個別具体的に重大性等を見て判断する、とされています。

実習認定の取消しを受けていないこと

こちらは現在技能実習生を受け入れている方に関係するものです。

技能実習実施者として技能実習生を受け入れている際に実習認定を取り消された場合、その取り消された日から5年を経過しない場合は特定技能外国人を受け入れることはできません。

また、実習認定を取り消された実施者の役員が別の法人の役員になっている場合、その別の法人も5年経過しないと受け入れることができません。

反社会的勢力(暴力団等)との関係がないこと

以下のどちらかにあたる場合は、特定技能を受け入れることはできません。以下の暴力団員等には、「暴力団員等でなくなったときから5年経過してない者」も含みます。

  • 暴力団員等および、その役員が暴力団員等
  • 暴力団員等がその事業活動を支配する

破産していないこと、行為能力があること

破産手続き開始の決定を受けてから復権を得ない者は特定技能外国人を受け入れることはできません。

精神機能の障害により、特定技能雇用契約の履行を適正に行うに当たっての必要な認知、判断および意思疎通を適切に行えない者は特定技能外国人を受け入れることはできません。

法人の役員や、未成年の法定代理人も上記の事項がある場合は特定技能外国人を受け入れることはできません。

特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成をし、1年以上保管していること

これは、これから特定技能外国人を受け入れる方には関係ないですが、雇用後は必要になりますので、補足します。

 特定技能所属機関は雇用している特定技能外国人に関する情報(氏名や国籍に関する名簿や、就労場所、社会保険の加入状況、受入に要した費用、雇用条件に関すること等)に関する書類を作成し、特定技能外国人が勤務している事業所に、雇用契約が終了してから1年以上保管してことが義務づけられています。

特定技能外国人やその家族等に保証金の徴収や違約金の契約をさせないこと

これは、雇用契約を結ぼうしている外国人や、その外国人と密接な関係を有している者(配偶者・親や同居している親族等)が、名目問わず金銭等の財産を管理されている場合や、特定技能雇用契約が不履行になった場合に違約金を定める契約があることを知った場合は、雇用契約をしてはなりません。

lこの特定技能技能外国人に対する契約の相手方は、「特定技能所属機関」「登録支援機関」「職業紹介事業者」「ブローカー」等、幅広くあります。

だれであろうと、特定技能外国人とその家族等に対して他者が金銭の管理をしたり、契約不履行の際の違約金を取ったりしてはいけないし、特定技能所属機関はそのことを知りながら雇用契約を結んでははいけない。という意味ですね。

支援の費用を特定技能外国人に負担させないこと

在留資格「特定技能1号」は生活に関する支援をすることが必要なのですが、この支援のうち「義務的支援」とされている部分に要した費用は、直接・間接問わずその特定技能外国人に負担させてはいけないというものです。

労災保険に加入すること

特定技能外国人が労災にあった場合、労災保険を使えるよう手続きを適正に行っていることが求められます。また、労災保険において暫定任意適用事業所とされている場合は、労災保険に類する民間保険に加入していることが必要です。

特定技能外国人を適正に安定して雇用しつづけられる体制があること

これはタイトルの通りです。具体的には財政的基盤を有していることを見られます。

直近の決算(直近1期、2期)において債務超過がある場合は、中小企業診断士や公認会計士、税理士等の企業評価を行う能力があると認められる公的な資格を有する第三者が改善の見通しについて評価した文書の提出が必要になります。

特定技能外国人への報酬を支払い金額が確認できる方法にすること

・口座振り込みの場合・・・この場合は通帳に記載が残るため、特に何もしません。

・口座振り込みでない場合・・・ほとんど現金支給の場合と思います。

(この場合は入管に支払ったことを証明する客観的な資料を提出する必要があります。)

地域の共生社会実現のために協力すること

これは2025年4月より加わった事項です。

特定技能外国人が居住する地域や、仕事先の地域がある地方公共団体から、外国人共生のための協力の依頼があった場合は、協力することです。

私自身、まだ協力依頼があった話を聞いたことはないのですが、

  • ゴミ出しルールの周知依頼
  • 地域イベントの周知依頼
  • 日本語教室の周知依頼      等と思われます。

分野によりある基準、特定技能外国人を派遣する場合の基準を満たすこと

特定技能1号には16の産業分野、特定技能2号には11の産業分野がありますが、分野ごとに個別の基準がある場合があります。

たとえば、外食業の場合だと

  • 特定技能外国人に接待を行わせないこと
  • 外食業分野における特定技能外国人の受入れに関する協議会に加入していること

等です。

また、今回の例だとあまりないかと思うのですが、特定技能外国人を派遣する場合

  • 派遣元がその特定技能外国人が活動する分野と同じ業務を行っている等の要件を満たし、入管とその分野を所管する行政機関が協議の上適当と認められること
  • 派遣元、派遣先が労働、社会保険、税金に関する法令を遵守しており、欠格事由もないこと

等の要件があります。

上記に加え、雇用契約に関する基準もあります。

 特定技能外国人と雇用契約を結ぶにあたっては、

  • 同等の技能を有する日本人従業員と同等以上の給与であること
  • 外国人であることを理由として日本人従業員と待遇に差を設けてはならない

 等の基準があります。

 こちらは別記事でご案内します。

よくある勘違い・見落としポイント

虚偽の申告はアウト

虚偽の申告をしてはなりません。もし発覚した場合、不正な行為をしてはならないという事項にあたり、長期にわたって特定技能外国人を受け入れることができなくなってしまいます。

支援委託しているから大丈夫、は間違い

この要件はあくまで特定技能所属機関に求められるものです。登録支援機関に支援を委託している場合でも、これらの要件は登録支援機関ではなく特定技能所属機関が責任を持つことになります。

事前に必ず確認したいセルフチェックリスト

項目
税金・社会保険料等を滞納していないこと
同一業務を行う労働者を非自発的に離職させていないこと
雇用主側の責めに帰すべき事由により雇用する外国人の行方不明者を発生させていないこと
関係法令により刑罰を受けていないこと
出入国または労働関係法令に関して不正行為を行ったことがないこと
実習認定の取消しを受けていないこと
反社会的勢力(暴力団等)との関係がないこと
破産していないこと、行為能力があること
特定技能外国人の活動状況に係る文書の作成をし、1年以上保管していること
特定技能外国人やその家族等に保証金の徴収や違約金の契約をさせないこと
支援の費用を特定技能外国人に負担させないこと
労災保険に加入すること
特定技能外国人を適正に安定して雇用しつづけられる体制があること
特定技能外国人への報酬を支払い金額が確認できる方法にすること
地域の共生社会実現のために協力すること
分野によりある基準、特定技能外国人を派遣する場合の基準を満たすこと

まとめ 特定技能は「体制」が見られる

いかがでしたでしょうか。

届出や基準の項目が多く、少し大変だと感じた方もいらっしゃるかもしれません。

特定技能は、外国人本人だけでなく、雇用する企業側についても多くの書類を提出し、審査を受ける在留資格です。
単に雇用するだけではなく、外国人を適正に受け入れることができる体制が整っているかという点も確認されます。

本記事が、特定技能外国人の受け入れ体制を考える際の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

参考資料 : 出入国在留管理庁 「特定技能制度運用要領」

       https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00201.html

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